講師インタビュー
INTERVIEW
講師インタビュー 第一回 | 馬場 美根子

Seed代表・バレエ講師
馬場 美根子
福岡県出身
5歳よりバトントワリング、9歳よりクラシックバレエを始める。
15歳でロシアボリショイバレエ学校に留学。
帰国後バレエダンサーとして活動する傍ら、知人から劇団四季のオーディションを勧められ2011年劇団四季研究所へ入所。入所後1年目でCATSヴィクトリア役にキャスティングされる。
様々な作品に出演する中で、オペラ座の怪人、CATSでは長きに渡りダンスキャプテンを務める。
2018年劇団四季を退団、都内のバレエ教室やダンススタジオで若手育成と人材の発掘に尽力する傍ら、全国でワークショップを展開。
2020年、松出直也と共にプロフェッショナル育成スクール「Seed」を立ち上げる。
◯主な出演作
・CATS /ヴィクトリア、ランペルティーザ役
・West Side物語/エニィボディズ役
・オペラ座の怪人
・Contact
・Song &Dance60 他
基礎にこだわり、真のプロフェッショナルを育成する場に

「プロとして舞台に立ちたい」。そんな強い志を持つ若者たちが集うミュージカルスクールSeed。
今回は、講師インタビュー第一回として、代表である馬場美根子に Seed立ち上げのきっかけや指導にかける思いについてインタビューしました。
劇団四季で培った経験と情熱を、次世代のアーティスト育成に注ぎ込む馬場の教育理念に迫り、プロに求められる真の力とは何かを探ります。
夢を育む、プロフェッショナルの揺るぎない土台とは
ー まずは自己紹介と、Seedがどのようなスクールなのか教えてください。
馬場美根子 小学3年生から地元福岡県でバレエを始め、15歳でボリショイバレエ学校に留学し本格的にバレエを学びました。海外のバレエ団に入団することを目標に頑張っていましたがオーディションに落ちまくり...。
その矢先に劇団四季のオーディションがあることを知り、バレエコースで受験し合格しました。劇団四季では8年間俳優として舞台に立たせていただきました。
2019年に退団した翌年、松出直也先生と共にSeedを立ち上げ今に至ります。私生活では0歳と4歳の娘の母です。
Seedは、技術力、精神力、人間性に優れたアーティストの育成を目指すスクールです。ミュージカル業界全体のレベルアップを目標に掲げています。
私たちが最も大切にしているのは、抜群の「基礎力」を身につけることです。劇団四季でも商業ミュージカルでもテーマパークでも、プロとして第一に求められるのは基礎力にほかなりません。
また、ただ技術を習得するだけでなく、挨拶、掃除、コミュニケーションといった社会人としての基本的なマナーについても厳しく指導しています。長く活躍するために必要な知識も身につけて欲しいので、解剖学や栄養学の勉強会を行ったり、メンタルトレーニングも取り入れています。
定期的に試験を実施し、一定レベルに達していない生徒には退所を促すといった厳しい一面もあります。プロを目指しているわけですから、技術が優れていることは当たり前。その上で、社会で信頼され輝く人材がゴロゴロ居るというスクールを目指しています。
ー スクールを立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか?
馬場 劇団四季退団後、ワークショップやオープンクラスで指導をしていた中で、プロになりたいと言う生徒さんが段々増えてきたことを機に立ち上げを考えるようになりました。
そのうちの一人の生徒がプレゼン資料まで作って私に直談判しにきてくれたことが最終的な後押しになったという感じです(笑)。
プロになりたいなら、まずはプロの思考や習慣を身につけることが重要だと思うんです。技を教えるだけでなく、そういう本質的な部分をしっかりと伝えられる場を作りたかった。
ただオーディションに合格させるということをゴールにはしたくない。どこの誰が見ても信頼できる基礎力を持ち、誠実で愛されるアーティストを輩出したい。
どうせやるなら私たちの手で業界全体のレベルの底上げをするくらいのスクールを作りたいと思ったんです。
ー 他のスクールとの違いはどんな点にありますか?
馬場 ダンス、歌、演技、全てにおいて最高級の講師陣が揃っていること、そしてどの分野においても揺るぎない基礎を作ることに大きくウェイトを置いていることです。
立ち上げ当初はバレエクラスしかなかったのですが、私たちの理念に共感してくださる先生がジョインしてくれ、総合的に学べるスクールになりました。立ち上げの頃はとてもじゃないけどプロを目指せるような生徒は皆無に近かったのですが(笑)、素晴らしい先生方のご指導のもとみるみる力をつけ、今では歌、台詞、ダンスの三拍子揃った強者たちが沢山プロの世界へ羽ばたいていくスクールへと成長しました。
Seedの講師は技術、人柄共にスペシャルな方しかいません。生徒達はこのような素晴らしい先生方の背中から多くのことを学び、日々進化していっているのを感じます。
私たちが最も大切にしている「基礎を作る」ということは、継続して鍛錬をし続ける以外には成し得ない。共にSeedを立ち上げた松出先生は、本当に細やかなところまでこだわり、コツコツと己を磨き続ける人です。現役時代からそういう姿をそばで見てきてずっと尊敬していたし、芸との向き合い方の部分ですごく共感するところが多かったんです。
表面的ではなく、芯のある表現を目指して欲しいし、そうでなければ意味がない。そしてそれを叶えるためには研ぎ澄まされた基礎力が必要不可欠。
地道にコツコツと積み上げていく方法で育成をしようということは立ち上げ当初からずっと変わらずこだわっています。


夢を掴むための「覚悟と実践」
ー 結果を出す生徒に共通することはありますか?
馬場 分かりやすく全員に共通していることは、レッスンを休まないことですね。限られたレッスン時間の中でどんな言葉も聞き逃さずキャッチし、指摘された課題を逃げずに受け止め、自主練習や復習を当たり前に積み重ねていく。こういう姿勢で取り組む生徒は飛躍します。
Seedでレッスンを受ける際の約束として、「絶対に1週間前と同じ状態で来るな」と言っています。レッスンは大事ですが、それ以上に自分の時間で先生方の指導を咀嚼し体に落とし込むことが最も大事なんです。この時間の使い方で明らかな差が出ます。

ー これからSeedへの入会を検討している人へひとことお願いします。
馬場 この世界で生きていくことは、決して容易ではありません。常に挫折や苦悩が隣り合わせ、ひたすらに自分と向き合いながら進む道です。だからこそ、「何があってもプロとして舞台に立つ」という揺るぎない目的と覚悟、そして強い志を持って来てください。本気で挑む人には、私たちも全力で向き合います。
心も体も磨き合い、共に成長できる仲間として歩んでいきましょう。


