『レッスンの外』で差がつく。プロのミュージカル俳優を目指す人が見直すべき、時間の使い方
- 7月18日
- 読了時間: 8分
みなさんこんにちは。プロ育成ミュージカルスクールSeed代表の馬場美根子です。
「レッスンには沢山通っているのに、なぜか伸びている実感がありません」 「週に何回レッスンを受ければプロになれますか」
この手の相談を受けるたびに私が思うのは、「何回レッスンを受けるか」という「量」ではなく、いかに「質」にこだわれるか、ということです。
レッスンにたくさん通っていること自体に、いつのまにか満足してしまっているケースはよく見受けられます。
大前提としてお伝えしたいのは、レッスンの回数を積み上げることそのものを「目的」や「ゴール」にしてしまった瞬間、成長は止まるということです。
本記事では、長年この業界で多くの受験生とプロの現場を見てきて感じる、プロに近づく人と、いつまでも伸び悩む人との決定的な違いについてお話しします。
▼ プロが実践する「レッスンとの向き合い方」3つのポイント
考える力 ── 頭を使わない練習は、練習ではない
Focus・Feedback・Fix ── レッスンはゴールじゃない、インプットの機会
"苦しい"の先の"楽しい" ── 承認ではなく、自分軸を持てるか

1. 考える力 ── 頭を使わない練習は、練習ではない
私は「ミュージカル俳優を目指すのなら、頭を使わないとダメだよ」ということを日頃のレッスンでも伝えています。
例えばバレエの練習一つとっても、ただ立っているだけで汗がにじむくらい、いろんなことを考え、いろんな部位に意識を配りながら「ただ立つ」ことに徹底的にこだわるのです。身体の角度、アンデオールの意識、指先の感覚、表情...それくらい、練習の時に集中して身体も頭も使っていかないと、最高の動きは習慣として身につかない。いざ舞台上でそれをやろうと思った時に体現できるフェーズには到達できない。歌も、演技も、ジャズダンスも同じです。
特に、大人になってからプロの舞台を目指す人にとって、そのブランクを埋めるのは「考えること」だと私は考えています。例えば幼少期から20年やってた人がじわじわ積み上げてきた身体感覚に5年、10年で追いつこうとするなら、気を抜ける瞬間なんて1秒もないはずです。
1つの動き、1つの課題をどれだけ突き詰められるか。どれだけこだわれるか。技術向上の鍵は、そこにあります。
練習の「量」はもちろん大事です。圧倒的な量が圧倒的な質を生む。これに関しては私も同意です。 ただ、ありがちなのが、レッスンにたくさん通うこと自体が目的やゴールになってしまうケース。スタジオにいる時間が長いことで、なんとなく「やっている気」になってしまう。「質」を上げることを忘れてしまったり、その余裕がなくなってしまったり。
これは本当によく見かける落とし穴です。
レッスンに通えば、そのレッスンで見つかった課題や気づきを消化する時間が必要です。この時間こそが一番大切なのです。課題を持ち帰り、一人になった時間で復習し、反復し、ようやくレッスンでの学びが、自分の技術として身につきます。
復習する余力や時間を作れないまま次のレッスンに向かう、体力を消耗していく...これでは本末転倒なのです。
2. Focus・Feedback・Fix ── レッスンはゴールじゃない、インプットの機会
レッスンは、あくまでインプットに集中する場です。そして、一番大事なのは、そのあとに振り返ることだと私は考えています。
最近、生徒たちに「練習の質を高める3つのF」について伝えています。
Focus(集中)── 集中力を持って取り組むこと
Feedback(フィードバック)── その練習に対して自分はどうだったか。何ができて、何ができないのか。逆になぜ今それができているのか。必ず自分自身にフィードバックをすること
Fix(修正)── それをもとに、直すこと
この作業をやらずに、ただ闇雲にレッスンへ通ってインプットだけを取り続けても、振り返る時間がなければ絶対に身になりません。 レッスンは目的でもゴールでもなく、あくまでインプットの機会です。 本当に大事なのは、それを振り返る自分だけの時間。今の自分には何が必要で、何が課題で、何が足りないのか。そこにきちんと向き合う時間こそが、成長のすべてを左右します。
-講師の言葉は、一言一句聞き逃さない
振り返りのポイントとして私自身が意識してきたのは、先生が言ってくれることを一言一句聞き逃さないこと。自分へのフィードバックだけでなく、他の生徒へのフィードバックさえも、自分ごととして受け取ること。
言われたことを自分の中でちゃんと反芻して、疑問が残るなら自分で解消する。それでも解消できないなら、次の週に必ず聞きにいく。疑問を疑問のまま放置しないことです。復習をしなければ、何が疑問だったかも分からないままやり過ごしてしまうことになります。
正しい理解のないまま反復するだけでは、うまくならないどころか、誤った使い方が習慣化しまう可能性があります。これでは怪我のリスクも上がってしまいます。
-レッスンを受けっぱなしにしない覚悟と責任
私自身、劇団四季に在籍していた頃には、稽古後の自主練習の時間が全てだと考えてきました。例えば、10時から18時までが作品の稽古だとすると、本当の稽古はそれ以降から。
「今日見つかった課題を、明日までに全てクリアする」と決め、そのために夜の時間を使う。レッスンを受けっぱなし、稽古を受けっぱなしで終わる日なんて、ありえない。翌日の稽古で課題が解消されていないということは、役を降ろされるということに等しい。プロフェッショナルの世界とは、そういうものだと思っています。
こんなことを講師の立場で言うのもおかしいかもしれませんが、レッスンの中だけで技術の習得なんてできないんです。
技術については、どこに行っても、きっと同じようなことを言われるはずです。
大事なのは、それを自分がどこまで理解して、自分の時間で反復できるか。1個ずつクリアして、1ミリずつ成長していく。その地道さに耐えられるかどうかが、すべての分かれ目です。
3. "苦しい"の先の"楽しい" ── 承認ではなく、自分軸を持てるか
多くの生徒を見てきて感じるのは、練習を心から楽しめるようになってから、成長が一気に加速するということです。
研究職に近い感覚とでも言うのでしょうか。「こうしたらこうなる」「こうしたらうまくいく」を実験するような日々。それを楽しめるようになれば、こっちのものです。
ただ、実はそこまで行かずに手前の「楽しい」で満足してしまう人がとても多いのも事実です。
本当の楽しさの手前には苦しさがあります。踊りや歌が好きで、楽しいからこれを仕事にしたい——それだけでは、いざ目の前に壁が現れた時に折れてしまう可能性が高いと私は考えています。
本当に突き詰める人は、苦しくて苦しくて、同じことを繰り返している中で、ふとした瞬間に小さな発見に出会います。自分の感覚がわずかに変化する。そういう瞬間にこそ、本当の楽しさは隠れているのです。
逆に、スポットライトを浴びること、先生にピックアップされること、褒められることを喜びの軸にしてしまうと、それがなくなった瞬間に練習が辛くなってしまいます。承認を軸にすると、履き違えた楽しさになってしまう。「こうありたい」「これができるようになりたい」——他人軸ではなく自分軸を持てた瞬間に、それはプロに向かっていく本当の楽しさへと変わっていくのだと思います。
さいごに:Seedで「本当の向き合い方」を掴み取れ
プロに近づくのは、ただ「たくさんレッスンに通った人」でも「たくさん練習した人」でもありません。
頭を使い、1つの動きをどこまでも突き詰められる思考力
Focus・Feedback・Fixを回し、レッスン後に自分自身と向き合う習慣
承認ではなく自分軸を持ち、苦しさの先にある本当の楽しさにたどり着ける強さ
これらはすべて、天性の才能ではありません。今この瞬間からのあなたの「意識」と「習慣」で、後天的に手に入れられるものです。
プロ育成ミュージカルスクールSeedでは、技術の指導はもちろんのこと、レッスンを本当の意味で自分のものにするための「向き合い方」そのものを伝えています。
本気でプロの舞台を目指すなら、まず一歩を踏み出してください。
Seedがその覚悟に応えます。
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次回新規入会募集時期は、2026年10月〜を予定しております。
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